雨漏りは、非常に憂鬱な気持ちになるので、「直せるならば」と少し高くても修繕を依頼する傾向にあります。
そのため「雨漏りビジネス」という言葉があるほど、様々な業者が参入しているのですが、石が殆どである玉石混淆であるので、多くの会社が権威づけのために、雨漏りに関する民間資格を取り、自社に技術があるとアピールをしていますが・・・実力がある会社は、その様な資格を取っていないように感じます。逆に、あまり分かっていない業者の方がそのような民間資格で箔を付けようとしているだけに感じるのは気のせいでしょうか・・・。
雨漏りに関する資格は、目立つものだけでも雨漏り診断士(NPO法人)、雨漏り鑑定士(一般社団法人)、雨漏り検針資格(一般社団法人)などがありますが、どれも公的な資格ではなく、講習会を受ければ資格をもらえるような資格がほとんどです。
雨漏り資格の問題点
民間資格は、要するにビジネスです。
資格試験で費用を取り、資格保有者に登録をさせて年会費を取って、何かしらの利益を得ています。
「NPO法人は、儲けないのではないの?」と思われるかもしれませんが、手数料名目で関係先に支払うなどし、実態は株式会社と変わらないNPO法人が多数あるといった問題点が指摘されていますので、そういうものだと考えてもよいでしょう。NPO法人の決算書を見ると手数料名目で数百万以上を支払っていたり、事業費として外部(身内企業など)に費用を支払って、収益がないように見せかけているだけのところが非常に多いです。
一般社団法人も同様で、3社以上集まれば社団法人格は取れてしまい、手口はNPO法人と同じで名目で支払っているだけのところが多数存在しています。
公の組織は最低でも公益社団法人であり、相応の組織が後援をして、公的な組織が資格のPRを手伝っていますので、区別がつきますが、残念ながら現在のところでは雨漏りに関する公的な資格は存在していません。
雨漏りを直せる人、直せない人
今までに、何人かの雨漏りを直せる人に出会ったことはあります。彼らは、雨漏りに関する(民間)資格はもっていないものの、対象部位の雨漏りに関しては、的確に判断できるスペシャリストです。ただし、彼らでも雨漏りに関しては何でも分かるというわけではなく、例えば、防水の親方はベランダや陸屋根などからの雨漏り、屋根屋さんは屋根からの雨漏り、大工であれば構造に起因する雨漏りといった具合に、熟練した職人として携わってきた部位(工種)に関して、特出した技能と知識を持ってい、的確に雨漏りに原因を判断していました。私は、彼らから、それぞれがもつ知識やノウハウを教わりながら、総合的に雨漏りを直す技術を磨いてきました。
雨漏り診断士などの民間資格を持っている防水会社の社長(親方ではなく職人でもない)にも、雨漏りを見てもらったことはありますが、総じて的外れでありました。私が今までに会った雨漏りを直せない人は、現場を知らない人、営業だけの人ばかりです。いくら資格があっても、雨漏りは経験がものを言いますので、民間資格などは無意味です。
口だけの雨漏り専門家と本物のプロを見分ける方法
自称・雨漏り専門の方が診たものの直せなかった物件をいくつも見てきましたが、彼らは原因を説明せずに「ここを防水すれば雨漏りは止まります」だけを言うことが多いです。それでも雨漏りが止まらない可能性があるのですが、お客に直らない可能性については伝えず、どちらかというと「私に任せてくれれば一発で直りますよ。」的な事を豪語したのに直らなくて逃走(連絡が付かなくなる)というケースが少なくありません。
対して本当に直せる人は、先ずは可能性が高い原因について丁寧に説明し、そこを直しても雨漏り原因が複数あるなどで、一発で直らない可能性があることを事前に、しっかりと説明してから工事を行っています。特に欠陥がある住宅などは、いくつもの原因で雨漏りが生じているケースがありますので、例え1つだけを直しても他からの雨漏りが続くということがあります。こういったマイナスな情報をきちんと伝える事が出来る人の方が、本物であると感じます。